学ラン姿の、にこやかな遺影でした。
すべての参列者の焼香が終わったあと、 棺のふたがあけられ 「希望される人は、お顔をみて、最後のお別れを――」 と、葬祭場のひとが声をかけた。 と、 それまでじっと座っていた高校生たちが、 一斉に立ち上がり、 動き出した。 棺の中の友人に花をそえ、手を合わせる。 二百人近い高校生たちが、別れを告げる。 さまざまな制服がまじっている。中学のときの友人だ。 男の子も、女の子も、 なすすべがない。泣くしかない。 でも、 そうやって別れを告げたはずなのに、 その場をなかなか離れがたい高校生たちが、 泣きはらした目で、ひとの流れが途絶えたのを見て、 もういちど、棺に歩み寄っていく。 そして、誰にも教えられたわけでもないのに、 棺のそばのおとうさんとおかあさんに、 自己紹介をしはじめた。 すると、 おかあさんはハンカチで涙をふきながら、 うんうんとうなづく。 棺のまわりに、また高校生たちが集まる。 それをみた長女たちも、もういちど「お花をあげたい」という。 私はもうこれ以上泣いたら帰りの運転に自信がないので その場で待つことに。 みていたら、 長女たちも、おとうさんとおかあさんに自己紹介。 ふたことみことことばをかわして、長女たち、号泣。 ―――――― バイクの事故で亡くなったN先輩は、長女の剣道の一こ上の先輩で 同じ個人塾に通ってもいた。 棺のかたわらで、長女の友達がおかあさんに自己紹介したら、 「○○ちゃん?(塾でのあだな)」 と、おかあさんに聞き返されたのだ。 塾でのあだな。 きっとN先輩が、 塾の様子を、おかあさんに話していたんだろうな。 なごやかで暖かい食卓の一シーンが、目に浮かぶよう。 もう、けして戻らない。 花で美しく飾られた祭壇をみながら、腹立たしくてならなかった。 いかん。 こんなことは、ぜったいあっちゃいかん。 逝ってはならない。 私よりも若い人が、 突然、逝ったりしてはなりません。
by coboredane
| 2013-03-01 23:15
| おうち・こども
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